SNS広告では、X(旧Twitter)、Facebook、Instagramなど、さまざまなソーシャルメディア上に広告を配信できます。
SNSは現代社会に幅広く根付いたツールです。総務省が令和3年に行った「令和5年通信利用動向調査の結果」によると、SNSを利用している割合は80.8%でした。そのため、SNS広告を活用することで、さまざまなターゲットにに対して自社サービスや商品を効率良くアピールすることができます。
この記事では、このSNS広告を効果的に配信するために必要なポイントと広告配信時の注意点などについて解説していきます。
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SNS広告の効果・メリットとは?
SNS広告の主な効果・メリットは以下の5点です。
- 自社にあったターゲティングができる
- 若年層へのアプローチがしやすい
- 潜在層のニーズを掘り起こせる
- 情報が拡散されやすい
- 他の広告媒体と比べて広告費を抑えやすい
自社にあったターゲティングができる
SNS広告では、アプローチするターゲットを細かく設定できます。
従来のマス広告においても広告のターゲット設定は可能でしたが、アプローチの精度には限度がありました。
一方、SNS広告は、各メディアに登録されてい詳細なユーザー情報をもとにターゲットを設定し配信できるため、より確度の高いアプローチが可能です。
自社サービスのターゲット層に対してピンポイントに訴求できるため、広告費を無駄に消費することなく、高い成果を期待できます。
若年層へのアプローチがしやすい
先ほどの「令和5年通信利用動向調査の結果」によると、若年層のSNS利用率は以下の結果になっています。
- 13〜19代:90.3%
- 20〜29歳:93.0%
ほとんどのSNSにおいて20代の使用率が高いです。そのため、SNS広告を配信することで、若年層に効率よくアプローチできます。
潜在層のニーズを掘り起こせる
ターゲットを絞り広告を配信するだけでなく、あえて幅広い層にアプローチする手法も効果的です。
SNS利用者の中には、「調べ物をする」という明確な目的があって見ている方だけでなく、暇つぶし程度に見ている方も大勢います。
そうしたユーザーに対してSNS広告を配信することで、自社サービス情報を徐々に印象付けることができます。潜在層にサービスをアプローチできれば後々、購買に繋げられる可能性があるのです。
情報が拡散されやすい
SNSの特徴のひとつとして「拡散されやすい」という点が挙げられます。
この拡散自体が次の広告効果を生み出すため、余計な費用を使わずに効果的に自社サービスをアピールできるのです。
他の広告媒体と比べて広告費を抑えやすい
SNS広告で費用が発生するタイミングは、主に以下の3つです。
- インプレッション(広告の表示)
- 広告のクリック
- 動画の視聴
- アプリのダウンロード
※各広告媒体、入札戦略等により課金タイミングは異なります。
SNS広告は、設定した予算内で配信できます。そのため、予想以上に広告費を使いすぎてしまう心配がありません。
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主要SNS広告ごとの効果・メリットとは?
SNS広告における具体的な効果やメリットは、利用する媒体によって異なります。これから詳しく解説していきます。
X広告の効果・メリット
X広告の効果・メリットは以下の3つです。
- 若年層へのアプローチがしやすい
- 想定外のターゲットに対してもリーチしやすい
- 2次拡散を狙いやすい
Xは、SNS利用率が8割を超える若年層に対してアプローチしやすい広告ツールです。
若年層は、テレビや新聞などマス広告経由でのアプローチが難しいため、SNS広告でどれだけ取り込めるかが重要です。
また、X広告では、ユーザーが検索した言葉に基づいて広告を配信する「キーワードターゲティング」という手法も実施できます。
そのため、ターゲット外のユーザーであっても、リアルタイムで興味のあることを把握し、アプローチをかけられるのです。
またXには2次拡散を狙いやすいという特徴があります。
Xにはリツイート機能がデフォルトで備わっているため、ユーザーの手による自社サービスの拡散が期待できます。
思わずリツイートしたくなる広告であれば自然と拡散される上に、リツイートされた広告から成果が発生しても費用はかかりません。
より低コストで自社サービスを広めるには最適です。
Facebook広告の効果・メリット
Facebook広告の効果・メリットは以下の3つです。
- 実名登録制のためターゲティングの精度が高い
- 購買までのステップに合わせて広告配信できる
- 広告フォーマットが豊富のため、配信先に合わせてカスタマイズしやすい
Facebookは実名登録が原則です。さらに、性別・住居地域・年齢・趣味・いいねしたページ・思想・未婚or既婚など、ユーザーの細かいデータが登録されているため、他のSNSよりも精度の高いターゲティングが期待できます。ここで設定したターゲットに対しては、購買までのステップを3つに分けた上でアプローチできます。
- 認知:ユーザーに自社サービスを知ってもらうために、動画広告やテキスト広告を配信する
- 検討:ページへのいいね数の増加や、ユーザーの詳しい情報(電話番号など)を狙う
- CV(購入):商品・サービスの比較をしてもらい実際の購買に繋げる
このように、Facebook広告ではユーザー情報や購買までのステップによって細かくターゲティングできます。ターゲットを細かく分けられるため、適切な広告配信スタイルも異なります。
Facebook広告では、広告配信の目的や購買までのステップに合わせて配信形式を選べるので、効果的にアプローチできるのです。
提携している媒体に簡単に広告配信できる
Facebook広告の大きな魅力が「アドネットワークに登録できる」という点です。
アドネットワーク上の媒体に一括で広告配信できます。
Facebookでは「オーディエンスネットワーク」という名称でアドネットワークを運営しています。
そのため、Facebook広告に出稿することで、提携している各アプリやサイト上にも配信可能なのです。
Instagram広告の効果・メリット
Instagram広告の効果・メリットは以下の3つです。
- 写真を活用しているため視覚的に訴求しやすい
- 他のSNS広告と比較して、若い女性へのアプローチがしやすい
- 世界中の幅広いユーザーにアプローチできる
Instagramは、テキストではなく画像や動画がメインのSNSです。
そのため、広告でも写真等でインパクトを持たせることができ、自社のメッセージや特徴を伝えやすいです。
登録者も10〜20代の若い女性が多いため、化粧品や美容系、サプリメントなどのサービスを宣伝するのであれば活用すべきといえます。
リーチできるターゲットの多さもInstagram広告の魅力のひとつです。Instagramの利用者は、全世界で5億人以上。ハッシュタグなども活用して、海外へサービスをアピールすることも可能です。
さらに、Facebook同様細かいターゲティングができるため、ユーザーの興味に沿ったクリエイティブでビジュアル的にインパクトのある広告を配信できます。
LINE広告の効果・メリット
LINE広告の効果・メリットは以下の3つです。
- ユーザー数が圧倒的に多いため幅広い層にリーチできる
- 広告配信先が豊富にある
- 見込み顧客へのアプローチがしやすい
LINEは日本で最もユーザー数が多いSNSです。
令和5年度の総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、全世代合わせて90%以上が利用しており、20代のユーザーは99.5%にも達します。
これだけ幅広い層が利用しているため、他のSNS広告ではリーチできないターゲットにもアプローチできます。さらに、LINEは他のSNSと異なり、登録者するだけでなく実際に利用しているアクティブ率も高いです。
そのため、広告を目にする回数が増えサービスを認知させられるチャンスも広まります。
LINEは、多種多様な媒体を所有しています。
- トークリスト
- LINE NEWS
- LINE VOOM
- タイムライン
- ウォレット
- LINE マンガ
こうした幅広いメディアにも広告配信できるため、サービスを認知させる機会がさらに広まります。
公式LINEアカウントも活用して、見込み客を誘導し直接コミュニケーションを取ることで、ターゲットに少しずつ自社サービスについて認知させる、実際の購買に繋げることも可能です。
YouTube広告の効果・メリット
YouTube広告の効果・メリットは以下の3つです。
- 一定時間広告を無料で試聴してもらえる
- 無駄な費用をかけずに自社サービスに誘導しやすい
- リマーケティングにより、自社サービスに興味を持ったユーザーを追跡できる
YouTube広告には、一定時間以上動画が再生されないと課金されない配信方法があります。
これにより、広告費を極力かけることなくユーザーにアプローチすることができます。
また、YouTube広告では、リマーケティング機能により、一度動画広告を最後まで視聴したり商品を購入したユーザーに対して広告配信ができます。
リマーケティングは自社サービスとの接点がないユーザーへのアプローチよりも効果的です。
広告自体も最低で5秒間は視聴してもらえるため、ユーザーに対するサービス認知度を上げられます。
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SNS広告の効果を損なわないために!運用時の注意点を紹介
メディアごとでさまざまなメリットや効果があるSNS広告ですが、運用する際は以下の点に注意しなければなりません。
- ユーザーの属性を明確にする
- ペルソナ設定を行う
- 炎上する可能性がある
上記の点を守らないと広告配信効果は損なわれます。
ユーザー属性を明確にする
SNS広告を配信する際は、ターゲティングが重要です。適当に配信しても、メディアに自社のターゲットがいなければ効果はありません。
配信するメディアによっても利用者層は違うため、自社サービスをリーチさせたいターゲットが存在するメディアを選定することを優先しましょう。
炎上する可能性がある
SNSにはさまざまなユーザーが集まっています。そのため、自社サービスを肯定的に捉えてくれるユーザーだけにリーチできるとは限りません。
効果的にSNS広告を運用できている成功事例
下記では、実際にSNS広告を運用し、効果を発揮した企業の成功事例をご紹介します。
Facebook広告の成功事例:メスセデス・ベンツ日本
「メルセデス・ベンツ日本」では、Facebook広告を活用し以下の成果を達成しました。
- CTR:25%
- 問い合わせ数の増加割合:16%
- CV率:3倍
メルセデス・ベンツ日本は「購入検討層へのターゲティング」を目的として、Facebook広告を導入しました。中古車販売は安い買い物ではないため、限られたターゲットの好みにマッチする車を紹介し、購入に繋げるのは容易ではありません。そこで、自動車広告に特化した「自動車インベントリー広告」を導入。認定中古車公式サイトの閲覧履歴やエリア情報なども考慮した細かいターゲティングによって、CV率を3倍にまで引き上げることができました。
参照:メルセデス・ベンツ
X広告の成功事例:ブックオフオンライン
「ブックオフオンライン」では、X広告を活用し以下の成果を達成しました。
- 広告運用前は1年かかっていたフォロワー数を運用開始後に1ヶ月で獲得
Bookoff onlineは、スポンサードサーチでの集客に限界を感じており、新しい広告を活用することでスマートフォン向けサイトへの誘導を考えていました。そこで、X広告のターゲティング機能を使い、以下の限られたXユーザーにのみ広告を配信します。
- 商材関連における指定キーワード
- 商材関連のインフルエンサーアカウントのフォロワー
- 急上昇キーワード指定
これらの施策により、広告運用前は1年かかっていたフォロワー数を、運用後わずか1ヶ月で獲得。親和性の高いユーザーが多く集まったことで、広告ではないオーガニックツイートへの反応も上がると期待されています。
参照:ブックオフオンライン
LINE広告の成功事例:キリンビール
「キリンビール」では、LINE広告を活用し以下の成果を達成しました。
- 淡麗ブランドの新規飲用者の売り上げアップおよび認知度向上
キリンビールが展開する淡麗ブランドなどの発泡酒は、売り上げが横ばいである状態が続いていました。そこで「LINE POP Media」を導入します。対象店舗に入店するとキャンペーンについての告知が配信され、それを閲覧するとLINEポイントが付与される仕組みを整えたことで、ユーザーがキリンビールのキャンペーン情報を目にする機会を増やしました。その結果、売り上げアップだけでなく見込み顧客の増加にも繋がったのです。
参照:キリンビール
YouTube広告の成功事例:Pringles
「Pringles」では、Youtube広告を活用して以下の成果を達成しました。
- 表示回数:1億2000万回
- 広告費用対効果:2対1
- 売り上げの伸び率:3%
Pringlesでは、アメリカ最大のスポーツイベントである「スーパーボウル」の視聴者に商品をアプローチすることを考えていました。そこで、当時トレンドになっていた「フレーバースタッキング(重ね食べ)」に関する広告を、スーパーボウル前の広告に挿入。TrueViewリーチも活用して、なるべく多くのユーザーにリーチできる工夫を行い、認知度の向上を達成しました。
参照:Pringles
株式会社シードでのSNS広告の成功事例
最後に、株式会社シードが担当したSNS広告(Instagram広告とTikTok広告)の成功事例を紹介します。
Instagram広告の成功事例:高校生向け学習教材
高校生向け学習教材のInstagram広告では以下の成果を達成しました。
- CPC約130円
- 350件超のCV発生
- CPA約2,000円
成果地点は無料問題集のダウンロードでした。
リターゲティングも含め複数のターゲット設定を組み合わせて配信し、あわせて10種類以上の広告バナーを作成しA/Bテストを繰り返すことで、CPAを大きく下げることができました。獲得件数も350件を超え、クライアント様より高評価をいただきました。
TikTok広告の成功事例:高校生向け学習教材
- CPC約40円
- 800件超のCV発生
- CPA約2,500円
- CPC約40円
- 800件超のCV発生
- CPA約2,500円
高校生向け学習教材のTikTok広告では以下の成果を達成しました。成果地点は前述のInstagram広告と同じく無料問題集のダウンロードでした。
TikTok広告では動画素材を継続的に入れ替え続け、常にA/Bテストを行うことが大切です。弊社において複数の訴求軸の動画を作成し継続的に投稿を続けた結果、CPAを大幅に抑え、800件を超えるCVを獲得することができました。
まとめ
SNS広告にはさまざまな種類があるため、自社サービスに合わせたメディア選定、ターゲット選定が欠かせません。株式会社シードでは、ご紹介したSNS広告を効果的に運用する代行サービスを実施しています。「X広告」「YouTube広告」等幅広い種類の運用代行をしており、企業サービスの認知拡大をサポートしています。
なお、以下の記事ではSNS広告の出稿費用についてまとめています。