ABテストとは?効果的なやり方や成功に近づく4つのポイント

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公開日:2024.10.30 / 最終更新日:2024.10.30


ABテストは、Webサイトや広告のパフォーマンスを最適化するための強力な手法です。

この記事では、ユーザー行動の分析や仮説検証を通じて、効果的なコンテンツやデザインを見つけ、成果を最大化するABテストの手法を詳細に解説します。

 

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ABテストとは

ABテストとは、広告やLP(ランディングページ)などのパフォーマンス向上を目指して、異なる2つのクリエイティブ(デザイン、広告文等)比較し、ユーザーの反応や成果を測定して効果的な方を選ぶ手法です。

具体的には、2つ以上の広告やLPを同時に表示し、どちらがより効果的かを数値で評価します。

要素Aデザインパターン 要素Bデザインパターン 最も効果の高い組み合わせ

「購入ボタンの色を赤に変える」といった小さな変更でも、実際のパフォーマンスに大きな違いが生まれることがあります。

テストの進め方としては、次のようになります。

  • 【1】改善したい目標を設定し、その目標に合わせた要素を変更する
  • 【2】変更後のバージョン(B)と、元のバージョン(A)を比較し、どちらが効果的かを分析する

ユーザーのクリック数やコンバージョン率などを計測することで、改善につながるデータを集められます。

ABテストの結果をもとに広告やLPを継続的に最適化することで、運用の質が飛躍的に高まります。

テスト実施を習慣化することで、成果を最大限に引き出す広告運用が実現できます。

ABテストを行う理由と目的

ABテストを行う理由は、主に次の2つがあります。

  • パフォーマンス向上により収益アップと費用削減を行うため
  • 勝ちパターンを見つけ今後の施策に活かすため

パフォーマンス向上により収益アップと費用削減を行うため

ABテストを行う理由は、広告やLPのパフォーマンスを向上させるためです。

広告やLPのパフォーマンスが向上すると、広告の精度が高まり(=CVRが上がる)、収益アップが期待できることに加え、余分な費用を抑えることができます。

例)広告予算が100万円で 10,000人の来訪者があった場合 施策前 広告予算100万円 来訪者10000人 コンパージョン率1% 100人が購入 広告予算100万円 来訪者10000人 コンバージョン率2% 200人が購入

ABテストは、売上を増加させることと費用を削減させることの2つの効果があるのです。

勝ちパターンを見つけ今後の施策に活かすため

例えば、同じ広告で「タイトルだけ変える」「ボタンの色を変える」といった違いを設定し、ユーザーの行動を比較することで、成果が出やすいパターンが見えてきます。

データをもとに常に成果の上がる「勝ちパターン」のクリエイティブを導き出すことで、次回の配信の際、広告効果をはじめから最大化した状態で効率的に配信できるようになります。

ABテストの4つの種類

ABテストには、目的や状況に応じて4つの種類があります。

同一URLテスト 同じURL内で異なる内容を出し分けてテストします。デザインや文言の変更などを行い、ユーザーの反応を比較しやすい方法です。
リダイレクトテスト 異なるURL間で比較するテストです。例えば、ページのコンセプトごとにURLを変え、全体の反応を検証できます。
複数ページテスト 異なるページ間での効果を検証します。ユーザーが順番に訪問するページに変化を加え、全体の行動に与える影響を分析します。
多変量テスト 1ページ内の複数要素を同時に変えてテストします。画像とボタン、見出しと色など、複数の組み合わせを比較する高度な方法です。

こういったテスト手法をうまく活用することで、広告やLPを最適化し、効果的な運用が可能となります。

なお、一般的にはABテストツールを導入した上で同一URLテストを行うことが多いです。

大規模な広告配信の場合には、同時に複数のLPを製作しテストを行うこともあります。

広告配信 リスティング広告 配信比率 CV率

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ABテストの活用シーン

ここからは、ABテストの代表的な活用シーンを3つ紹介します。

Webサイト(ホームページ)

Webサイトの写真やキャッチコピーを異なるバージョンに変えてみると、どのパターンがユーザーの滞在時間やクリック率を上げるかがわかります。

また、CTAボタン(行動促進ボタン)の色や位置を変えることで、問い合わせや購入などの成果率にどれだけ影響が出るかを確認でき、サイト全体のパフォーマンスを着実に向上させることが可能です。

例えば、当サイト「デジマ部」では、記事の冒頭に資料請求のCTAボタンを設置しています。CTAボタンのデザインは定期的に入れ替えてテストを行い、クリック率が最大化されるように運用を行っています。

このように、Webサイトの中でABテストを行うことで、サイト全体のCVRを向上させることができます。

Web広告

Web広告の効果を最大化する上でもABテストは欠かせない存在です。

例えば、異なるデザインやキャッチコピーのクリエイティブを2つ用意し、一定期間同時に配信して、どちらがクリック率やコンバージョン率が高いかを比較することで勝ちパターンを導き出すことができます。

こうして収集したデータをもとに、最も効果的な広告バージョンを採用することで、広告運用の質をぐっと高められます。

LP(ランディングページ)

LPは、特定の商品やサービスに関心を持つユーザーをターゲットに、最初に訪問してもらうことを想定したページです。

LPのABテストでは、異なるデザインやメッセージを持つ2つのLPを作成し、アクセスを分散させて効果を比較する方法がよく取られます。

例えば、ひとつのLPには「割引キャンペーン」を前面に押し出し、もうひとつには「機能や特徴の説明」をメインにした場合、どちらが多くのコンバージョンを生むかがABテストの結果でわかります。

LPでABテストを行うことを特にLPO(LP最適化)といいます。

なお、LPOではファーストビュー(ユーザーが最初に閲覧する部分)からABテストを行うことが鉄板となっています。

ファーストビューのスプリット・ラン・テストは、時間もコストも抑えながら効果を上げる事が可能

LPOを通じてCVRを高めることで、広告運用全体の効果を高めることが可能です。

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ABテストの効果的な方法!成果が出るやり方

ここからはABテストの具体的なやり方を4つのステップに分けて紹介します。

  • STEP1:目的を明確にする
  • STEP2:データに基づいた仮説立て
  • STEP3:テストの実施とデータ計測
  • STEP4:結果の分析と改善策の実行

STEP1:目的を明確にする

ABテストを効果的に行うための最初のステップは「目的を明確にする」ことです。

例えば、「コンバージョン率を上げたい」や「クリック率を向上させたい」といった目標があるなら、まず現状のデータをもとに課題やユーザーの行動を分析し、具体的な目的を設定します。

さらに、ABテストを行う優先度も重要です。

最初に訪問者が目にするランディングページや広告バナーからテストを始めると成果が出やすくなります。

改善効果が期待できるポイントに絞ってテストを進めることが、運用の成功につながります。

STEP2:データに基づいた仮説立て

ABテストの効果を最大限に引き出すには、次に「データに基づいた仮説」を立てることが大切です。

具体的には、過去の広告やランディングページのデータを分析し、どこを改善すれば効果が出やすいかを見極めます。

例えば、「購入ボタンの色が目立たないためクリック率が低いのではないか?」という仮説を立てて、ボタンの色を変えたバージョンを作成します。

データを基に改善策を予測することで、ABテストの精度がぐっと上がり、実際の成果にもつながりやすくなります。

以下の項目を問題点を洗い出し仮説を立てる際のチェックリストにするといいいでしょう。

  • メインキャッチコピー
  • サブキャッチコピー
  • ファーストビューの写真
  • オファー(金額や定期等の訴求方法)
  • 購入・申し込みパーツのキャッチ、説明文
  • 購入・申し込みボタンの色味、形、動き
  • 商品写真
  • 配合成分説明
  • お客様の声・体験談
  • メディア掲載事例
  • 入力フォーム

STEP3:テストの実施とデータ計測

ABテストの3つ目のステップは「テストの実施とデータ計測」です。

まず、データをしっかり計測できる環境を整えることが大切です。

例えば、Google Analyticsのようなツールでトラッキング設定を行い、テスト結果の正確な把握ができる状態にします。

場合によってはABテスト専用ツール(SitestやOptimizelyなど)を使用するのもおすすめです。

ツールの導入により信頼できるデータをもとに分析が可能となります。

例えばヒートマップツールを導入すると、以下の画像のように、どの部分に対してユーザーのクリックが多く発生しているかを視覚的に確認することができ、検証に役立ちます。

STEP4:結果の分析と改善策の実行

ABテストの最後のステップは「結果の分析と改善策の実行」です。

テスト結果から、どのパターンがより高い成果を出したのかを詳細に分析し、次の改善案を考えます。

ここで重要なのは、一度改善したら終わりではなく、PDCAサイクルを回し続けることです。

テストと改善を繰り返し、広告やLPを絶えず進化させることで、最大の効果が発揮されます。

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ABテストの注意点と成功するポイント

一定期間のテストを実施する

ABテストを成功させるためには、一定期間テストを行うことが大切です。

一般的には2~4週間が目安ですが、特に流入数が少ない場合は、十分なデータが集まるように期間を長めに設けるのがポイントです。

例えば、1週間で判断すると、たまたまの結果が出てしまう可能性もあり、正確な改善点が見つけられません。

確かなデータに基づいた結論を出すためにも、計測期間をしっかりと確保し、信頼性の高いテスト結果を得るよう心がけましょう。

・テスト期間は2~4週間が一般的
・流入が少ない場合は期間を長く設ける

一度に変更する要素は一つ

ABテストを行う際には、一度に変更する要素を1つに絞ることが成功へのカギです。

例えば、「ボタンの色」と「キャッチコピー」を同時に変えてしまうと、どちらの変更が結果に影響したのか判断が難しくなります。

1つの要素に限定して検証することで、ビフォーアフターの比較が容易になります。

上の例でいくのなら、まずは「購入ボタンの色」をテストして効果を確認し、続けて「キャッチコピー」を変えることで、分析がシンプルになります。

同時に2つ以上の要素の検証を行うと、どの要素が結果の違いに影響を与えているのか判断が難しくなる

十分なサンプル数の確保

ABテストで信頼性のある結果を得るには、十分なサンプル数を確保することが重要です。

例えば、アクセス数が少ない開設したばかりのサイトでは、サンプル数が不足すると偏った結果が出やすく、正確な判断が難しくなります。

こうした場合、まずはアクセスを増やす施策を実施し、一定以上のユーザー数を確保してからABテストを行うのが効果的です。

サンプル数が多ければ多いほど、データの精度が高まり、より確実な改善ポイントが見えてきます。

・妥当性の高い検証結果を得るためにサンプル数を確保する
・アクセス数が少ない場合は、まずユーザーを獲得する施策から取り組む

ABテストにおける「有意差」とは

ABテストで成果を判断する際、「有意差」があるかどうかを確認することは非常に大切です。

有意差とは、結果に見られる違いが偶然ではなく、統計的に意味があるかを示すものです。

例えば、Aパターンのクリック率が3%、Bパターンが3.5%だった場合、一見Bが優れているようですが、有意差が確認されない限り、偶然の結果かもしれません。

検定ツールや数値の統計分析を行い、有意差が確かめられれば、テスト結果に基づいて自信を持って施策を進められます。

ABテストツールの活用

ABテストをスムーズに進めるには、ABテストツールの活用がおすすめです。

ABテストツールは、広告やLPのバリエーションを簡単に設定し、ユーザーに自動で異なるバージョンを表示させる機能を備えています。

テスト結果も自動で集計されるため、クリック率やコンバージョン率の変化を一目で確認でき、効率的に改善を進められます。

こうしたツールを使えば、手動での設定ミスや集計の手間が省け、より正確なデータをもとに運用の効果を高めることが可能です。

おすすめのABテストツール5選

SiTest(サイテスト)

SiTest(サイテスト)は、Webサイトや広告の効果改善に役立つアクセス解析ツールです。

シンプルで直感的な操作性に加え、ABテストやヒートマップ、エリア分析など、ユーザーの行動を深く理解できる多彩な機能を搭載しています。

SiTestは、Web運営やマーケティングを効率化したい企業や担当者におすすめのツールです。

https://sitest.jp/

Clarity(クラリティ)

Microsoft Clarityは、無料で使える高度なアクセス解析ツールです。

ユーザーの行動を可視化するヒートマップやセッションレコーディング機能を備え、訪問者がどこで関心を持ち、どこで離脱しているのかを簡単に確認できます。

操作もシンプルで、複雑な設定を必要とせずすぐに活用可能です。

データをもとにしたWebサイトの改善や、ユーザー体験の向上を目指す企業にとって、優れた支援ツールといえます。

https://clarity.microsoft.com/lang/ja-jp

KARTE Blocks(カルテブロックス)

KARTE Blocksは、Webサイト上でABテストを簡単に実施できるツールです。

専門知識がなくても直感的に操作でき、ページ内のコンテンツ変更やパターン比較を効率的に行えます。

実際のユーザー行動に基づいたデータを集め、最適な改善策を見つけ出すサポートが可能です。

https://blocks.karte.io/lp/abtest/

効果が出やすいABテストの事例

CTA領域(ボタン・フォームなど)

効果が出やすいABテストの代表例として、CTA領域のテストがあります。

ボタンの色や文言、フォームの位置やサイズを少し変えるだけで、コンバージョン率が大幅に上がることがよくあります。

例えば、「今すぐ登録」ボタンの色を目立つ赤から落ち着いた青に変えるとクリック率が上がったり、ボタン文言を「詳細を見る」から「今すぐ確認」に変えたことでコンバージョンが向上するケースが多く見られます。

当メディア「デジマ部」を例にあげますと、記事本文の上部メニューに「無料資料ダウンロード」「お問い合わせ」という2つのCTAを常時表示させるようにしたところ、記事経由の資料請求やお問い合わせが大きく増加しました。

こうした小さな変更はテスト結果に大きなインパクトを与えやすく、特に広告運用やLP改善の場面で即効性のある効果が期待できます。

広告やタイトルなどのキャッチコピー

広告やタイトルのキャッチコピーの変更も効果が出やすいです。

キャッチコピーはユーザーが広告を目にしたときの第一印象を左右するため、少しの変更で反応が大きく変わることがあります。

例えば、コピーを「限定50%オフ」から「今だけ特別価格」に変えると、「今すぐクリック」などの行動喚起が強まり、クリック率が上がるケースが多くあります。

また、コピーのトーンをカジュアルにしたり、数字を用いたりすることで、ユーザーの興味を引きやすくなることが多いです。

キャッチコピーのテストは少ない労力で高いインパクトを期待できます。

ファーストビュー周辺

ファーストビューも、ABテストで効果が出やすい箇所です。

ユーザーはページを開いた数秒で興味を持つか判断するため、ファーストビューのデザインやメッセージがクリック率やコンバージョン率に大きく影響します。

例えば、「今すぐ登録」や「限定オファー」など、行動を促すCTA(行動喚起)ボタンの色や配置を変えるだけでも、ユーザーの行動が大きく変わることがよくあります。

また、メインビジュアルの画像をテストすることで、より視覚的に惹きつけられるデザインを見つけることも可能です。

弊社でLPOを実施する場合にも、ファーストビューの変更は必ず行います。

ファーストビューのスプリット・ラン・テストは、時間もコストも抑えながら効果を上げる事が可能

ファーストビューの改善は、少ない変更で大きな成果が期待でき、LPや広告のパフォーマンス向上に効果的です。

Webサイト内の導線

Webサイト内の導線も、ABテストで効果が出やすいポイントです。

ユーザーがスムーズに次のアクションへ進めるよう、導線を工夫することで、コンバージョンが劇的に向上することがあります。

例えば、トップページから商品詳細ページへのリンクを目立たせたり、メインのCTAボタンを各セクションに配置することで、ユーザーの離脱を防ぎやすくなります。

あるケースでは、「購入する」ボタンの位置をスクロールせずに見える位置に移動するだけで、購入率が大幅に向上しました。

弊社の運営するデジマ部では、記事の冒頭にCTAを持ってくることで、資料請求数が大幅に増加しました。

少しの導線変更でかなりのインパクトがありますので、サイト内の動線は定期的に見直すようにしたいところです。

クリエイティブ

広告バナーなどのクリエイティブも非常に重要です。

バナー広告の背景色を変更したり、メインのビジュアル画像を製品写真から利用シーンの写真に変えたテストでは、クリック率が劇的に向上したことがあります。

また、文言のトーンをカジュアルにして「試してみる」から「今すぐチェック」に変更するだけで、クリックやコンバージョンが増加することも。

クリエイティブのABテストは少ない変更で大きな成果を期待できるため、広告運用の改善に欠かせない施策です。

効果的なABテストのやり方を積極的に取り入れよう

ABテストはWebサイトや広告の効果を最大化するための重要な手法です。

目的を定め、仮説を立ててテストを行い、結果を分析することで、ユーザーに最も響く勝ちパターンを見つけられます。

例えば、CTAボタンの位置や色を変更するだけで大きなインパクトが生まれることも。

ABテストを繰り返しPDCAを回すことで、広告運用の成果を高めましょう。

なお、弊社シードはABテストの1つ、「LPO」で多数の改善実績を誇っています。

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