BtoB向けリスティング広告成功のポイントとは?実際の運用事例も紹介

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公開日:2022.03.01 / 最終更新日:2023.04.05


企業間において展開される商品やサービスを「BtoB」と呼びます。
顕在層へのアプローチが可能なリスティング広告は、BtoBにおいても効果的な集客ツールの1つです。

しかし、そんなリスティング広告を始めてみようと考えたものの、何から手をつけるべきか分からず困っている方も多いでしょう。

そこで、この記事ではBtoB向けにリスティング広告を行う方向けに、リスティング広告の特徴やメリット、デメリット、運用時のポイントなどについて詳しく解説します。

「BtoB」向けのリスティング広告で成功させるコツを理解して、効果を最大限高めていきましょう。

(基礎をおさらい)そもそもリスティング広告って?

リスティング広告って?

「BtoC」型のリスティング広告との違いを理解するために、あらためてリスティング広告の基礎をおさらいしたいと思います。
リスティング広告はPPC広告の一種で、主に、GoogleやYahoo!等の検索エンジンの検索結果に表示される広告になります。

PPC広告とはクリック課金型のインターネット広告を意味し、「Pay Per Click」の略称です。
PPC広告は、大まかに「検索連動型広告」と「コンテンツ連動型広告」に分類され、リスティング広告は「検索連動型広告」のみを指します。

日本国内の主なリスティング広告の種類は「Google広告」と「Yahoo!広告」の2種類です。

各検索エンジンやパートナーサイトで、検索キーワードに関連した「検索連動型広告」を出稿できます。

検索連動型広告は、ユーザーが検索したキーワードに関連する広告を検索結果画面にテキストで表示する広告です。
それに対し、ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリなどの広告枠にバナーや画像、動画などで広告を表示します。

このような広告を使って「会員登録」「問い合わせ」「資料請求」などの具体的な行動につなげることを目的として広告出稿がされています。

「BtoB」向けのリスティング広告の特徴

「BtoB」向けのリスティング広告の特徴

BtoBとは「Business to Business」の略で、企業が企業を対象としてビジネスを行うことです。
一方、企業が個人に向けて行うビジネスをBtoCといいます。

今回ご紹介するBtoB向けリスティング広告は、企業を対象として運用するリスティング広告を指します。
ここからは、BtoB向けのリスティング広告に関する特徴について詳しく見ていきましょう。

1.アクセス数

BtoB向けのリスティング広告の特徴に、アクセス数が挙げられます。
一般的に、BtoC向けにリスティング広告を行う場合は、リーチできるユーザーの全体数が多くなるため、アクセス数は増加傾向にあります。

一方で、BtoBの場合は個人に比べるとリーチできる対象が減るため、おのずとアクセス数は少なくなりやすいです。
ただし、リスティング広告を行う商材・サービス・目的によって、アクセス数の大小は意味が異なります。

2.検討に要する期間の長さ

BtoB向けのリスティング広告は、BtoCに比べて検討に要する期間の長さに違いがあります。
BtoCの場合、商品やサービスの導入を決定するのは、個人本人であるケースが多いです。

一方で、BtoBの場合は商品やサービスの導入決定に複数人が関わっているケースが多く、その分検討に要する期間は長くなる傾向にあります。

よって、BtoB向けのリスティング広告では、その目的を「購入」や「登録」などではなく「お問い合わせ」などとしていることが多いです。

3.検討する人数

BtoB向けのリスティング広告では法人が対象となるため、意思決定に参加する人が多くなりやすいです。
企業担当者同士での議論が必要になるため、心理的な部分も考慮しなければなりません。

BtoCの場合、個人の感情が購入や契約に影響するため、感情を動かすようなデザインやキャッチコピーが求められます。
一方で、BtoBの場合は個人の感情ではなく、複数人の意見が検討材料とされる場合が多いでしょう。

よって、魅力的なデザインやキャッチコピーよりも、機能性や操作性を前面に打ち出す必要があります。

「BtoB」におけるリスティング広告のメリット

「BtoB」におけるリスティング広告のメリットに次の3つが挙げられます。

  • 広告効果を検証しやすい
  • 即効性に優れている
  • 顕在層に対して直接リーチできる

BtoB向けのリスティング広告をより効果的なものとするには、どのようなメリットが得られるのかを正しく理解する必要があります。
自社がリスティング広告に求める内容とメリットが合致しているかを事前に確認しておきましょう。

1.広告効果を検証しやすい

リスティング広告から得られるデータは、管理画面上でいつでも確認でき、広告効果を検証しやすいと言えます。
広告の表示回数を示す「インプレッション数」や、サイトの成果に至った割合を示す「コンバージョン率」などの詳細な数字を確認できます。

詳細な数字を確認できれば、継続的かつ繰り返し改善する方法であるPDCAサイクルも回しやすくなるでしょう。
さらに、日付やユーザー属性などのデータを蓄積した結果をもとにセグメント分けを行うことで、ターゲティング精度の向上も期待できます。

ただし、リスティング広告の効果検証には、約1~3ヵ月の期間を要します。
短期間ではなく、中長期的な観点で効果を見ていく必要がある点には注意が必要です。

2.即効性に優れている

リスティング広告は、広告を配信した即日から効果を得られる可能性があり、即効性に優れています。
広告をして配信してすぐに「問い合わせ」や「購入」といったアクションを得られるケースも少なくありません。

3.潜在層に対して直接アプローチできる

リスティング広告は、実際にユーザーが検索したキーワードに関連する広告が表示されるため、購入までに至っていない顕在層に対して直接アプローチできます。

リスティング広告から潜在層へアプローチし、有益な情報などを提供することで、具体的に購入を検討する顕在層へ引き上げ、直接刈り取ることができます。
リスティング広告のように、潜在層から直接的に刈り取れる類の広告は、BtoBの場合あまり多くありません。

自社の商品やサービスに高い興味・関心を抱く企業からの検索流入を期待できる、リスティング広告を、ぜひ有効に活用してみてください。

「BtoB」におけるリスティング広告のデメリット

「BtoB」向けリスティング広告のデメリット

「BtoB」におけるリスティング広告のデメリットは3つです。

  • 作業負荷が大きい
  • 費用がかかり続ける
  • 広告に関する専門知識が必要

「BtoB」におけるリスティング広告は多くのメリットがある一方で、デメリットがあるのも事実です。
広告の目的や予算とデメリットを照らし合わせ、自社にリスティング広告がマッチするかを確認しましょう。

1.作業負荷が大きい

「BtoB」向けにリスティング広告を導入する場合、運用に要する作業や時間の負荷は大きくなります。
社内にリスティング広告に長けた人材がいれば、作業負荷はそれほど大きくならないかもしれません。

しかし、これからリスティング広告に関する知識やスキルを習得して広告を運用するとなると別です。
新機能や仕様変更などの最新情報をチェックしながら、継続的に改善や運用を行うのは大変なことです。

社内の状況次第では、リスティング広告を専門とする代理店などに依頼した方が、作業負荷や効果の最大化の観点から有効かもしれません。

2.費用がかかり続ける

BtoBにおけるリスティング広告の運用は、費用をかければ効果が出ます。
ですが、費用をかけなければ集客が止まってしまいます。

効果の継続には費用がかかり続ける点は、デメリットの1つといえるでしょう。
入札額や支払い上限は抑えられても、費用をゼロにすると効果も止まってしまします。

一方で、自然検索で自社サイトを露出を多くするために対策を行うSEOであれば、広告費用はかかりません。
ただし、リスティング広告のような即効性は得られず、対策を講じても効果が得られる保証はありません。

3.広告に関する専門知識が必要

BtoBに関わらず、リスティング広告の運用には広告に関する専門知識が必要です。
広告効果を高めるには、定期的な改善が欠かせません。

そのためにも、担当者には管理画面の操作方法や広告全般のノウハウが求められます。
また、競合となるサイトの調査や分析も実施して、自社との違いを明らかにしなければなりません。

リスティングによって成果を出し続けることは容易ではない点は、十分に認識しておきましょう。

BtoB向けのリスティング広告運用で押さえるべき5つのポイント

BtoB向けのリスティング広告運用で押さえるべき5つのポイント

BtoB向けのリスティング広告運用で押さえるべきポイントは、次の5つです。

  • ユーザーが実際に検索するキーワードを考える
  • BtoB向けの広告であることをアピールする
  • 表示のタイミングを限定する
  • コンバージョンまでの中間地点を設ける
  • 広告のリンク先を分かりやすくしておく

BtoB向けにリスティング広告を始めたものの「思った広告効果が得られなかった」といったケースも少なくありません。
ここでは、BtoBの特徴を踏まえたうえで、どのような点に気をつけるべきかを詳しく解説します。

1.ユーザーが実際に検索するキーワードを考える

BtoB向けのリスティング広告を運用する際は、ユーザーが検索するキーワードについて考える必要があります。
BtoBの場合、業種やジャンルによっては、専門的な用語がキーワードとなるケースも少なくありません。

まずは「Googleキーワードプランナー」や「ラッコキーワード」などのツールを活用して、関連するキーワードをすべて洗い出してみましょう。

ただし、洗い出したキーワードにはBtoC向けのキーワードが含まれている可能性があります。ターゲットではないユーザーが検索しているキーワードを広告の対象から除外することで、無駄なクリックを抑えられます。

2.BtoB向けの広告であることをアピールする

BtoB向けのリスティング広告の場合、関連性を高めるためにも「企業向けの広告であること」をアピールしましょう。
リスティング広告では「キーワード」「広告文」「遷移先のページ」がそれぞれユーザーが求める意図と合致してコンバージョン(CV)につながります。

また、BtoB向けのリスティング広告は「アクセス=成約」とは限りません。
アクセスの後に電話説明や営業活動を実施することで、初めてコンバージョンに至るケースもあります。

したがって、はじめからBtoBに向けた広告であることをアピールすることで、ユーザーのアンマッチを事前に防げるのです。

3.表示のタイミングを限定する

BtoB向けのリスティング広告では、広告を表示するタイミングを限定することもおすすめします。
限定するべきタイミングの1つが、配信時間と曜日です。

一般的な企業の営業時間は「9時〜18時」や「8時〜17時」としていることが多いでしょう。
また、休日は「土日祝日」に設定しているケースが一般的です。

したがって、リスティング広告の配信も企業の営業時間や休日に合わせて配信を停止することで、無駄なクリックを防げます。
ただし、対象とする企業が特殊な営業時間や休日である場合は、この限りではありません。

また、サービスの提供エリアが限定されていたり、訪問営業を伴うような業種では、広告の配信地域の絞り込みも有効です。

訪問先が遠方になると交通費が嵩み、リスティング広告の費用対効果を落とす可能性があるからです。

ただし、配信対象者を限定しすぎると、広告の表示機会が減少してしまう可能性があります。
Googleアナリティクスなどのツールを活用して、時間帯やユーザー属性などを確認しながら慎重に設定しましょう。

4.コンバージョンまでの中間地点を設ける

BtoB向けのリスティング広告では、コンバージョンまでの中間地点(マイクロコンバージョン、MCV)を設けることで課題を発見しやすくなります。
前述のとおり、BtoCに比べてアクセス数が少なく、検討に要する期間が長いBtoB向けのリスティング広告は、コンバージョン数自体が少ない傾向にあります。

よって、コンバージョンに至らずとも、その手前に中間地点となる目標を設けることで、コンバージョンが少なくても改善点を発見しやすくなるのです。
例えば、会員登録をコンバージョンとする場合、その前の「リンクのクリック数」「ページの滞在時間」などを中間地点に立ててみてください。

リンクのクリック数は問題ないものの、ページの滞在時間が著しく低い場合は、ページの内容や請求フォームなどに何らかの問題があるかもしれません。

また、中間地点を設けることにより、Google等の媒体の機械学習が進み、広告の最適化のスピードと精度が向上しする事も大きなメリットです。
複数の中間地点を設け、仮説が立てられる環境を構築しましょう。

5.広告のリンク先を分かりやすくしておく

BtoB向けのリスティング広告は、広告のリンク先の内容も重要な要素の1つです。
前述のとおり、リスティング広告は顕在層に対して直接アプローチできます。

しかし、広告のリンク先ページの内容が分かりづらいと、アクセスをいくら集めてもユーザーの離脱を招いてコンバージョンにつながりません。

リスティング広告のメリットを活かすためにも、広告のリンク先にある「資料請求」や「問合せ先」などを分かりやすくするなどの工夫を凝らしてみてください。

リスティング広告以外で「BtoB向け」に訴求効果がある3つのデジタル広告媒体

リスティング広告以外でBtoB向けに訴求効果があるデジタル広告配信媒体として、次の3つが挙げられます。

  • ディスプレイ広告
  • SNS広告
  • 動画広告

さまざまな方法が存在する広告戦略においては、まずは目的に沿った媒体を選ぶ組み合わせが重要です。
ここでは、3つの広告配信媒体について、その特徴を詳しく解説します。

1.潜在層に広くアプローチできる「ディスプレイ広告」

ディスプレイ広告の枠

ディスプレイ広告は「Google」や「Yahoo!」などのWEBサイトやアプリの広告掲載枠に表示される広告です。

リスティング広告との違いは、アプローチできるターゲット層です。
リスティング広告の場合、ユーザーの検索キーワードを基に広告が表示されるため、ニーズが明確なユーザーに対して広告が配信されます。

一方で、ディスプレイ広告は課題にさえ気付いていない潜在層に幅広くアプローチできるのです。

2.ターゲティングしやすい「SNS広告」

SNS広告

SNS広告は、自社に合う媒体を選ぶことでターゲティングをしやすい広告の1つです。
SNS広告を行える媒体には、次のようなものが挙げられます。

  • Facebook
  • Instagram
  • Twitter
  • LINE

これらのSNSを運営する企業が保有する「ユーザ属性」「行動履歴」といったデータを活用することで、より精度の高いターゲティングが行えます。
また、目的「認知」「購買」「問い合わせ」など、広告を出稿する目的にあわせて幅広く活用できるでしょう。

ただし、各媒体によって配信できるユーザーや設定内容が大きく異なります。
各広告媒体の特性を理解し、訴求したい商品やサービスに応じて広告媒体を使い分けることが大切です。

3.多くの情報を届けられる「動画広告」

画像引用:YouTube公式サイト

動画広告はテキストに比べて多くの情報量を届けられる点が特徴です。
動画広告にもさまざまな種類がありますが、YouTube広告が一般的でしょう。

動画は視覚と聴覚に対して同時に訴求でき、テキストに比べて記憶に残りやすいという特徴があります。
ただし、動画制作コストが高くなる傾向にあり、制作後に修正しづらい点には注意が必要です。

テキストでは表現しづらい商品やサービスを提供する企業では、動画広告の活用をおすすめします。

BtoB向けリスティング広告の事例とは?

>BtoB向けリスティング広告の事例

弊社によるBtoB向けのリスティング広告での成果について、この章では一例をご紹介します。
BtoB向けのリスティング広告において重要な指標が「CPA」です。

CPA(Cost per Acquisition)とは、新規顧客の獲得に費やした1人あたりのコストを指します。

今回、あるクライアント様の集客においてリマーケティングを対象とした「リスティング広告・ディスプレイ広告」を実施しました。
*リマーケティングとは、一度自社に訪問したユーザに対して再びアプローチを掛ける広告手法のこと。

その際の「目標CPA」は、リスティング・ディスプレイ広告を合わせて「15,000円」でした。
下記の表は、実際にBtoBのリード獲得をした案件です。

リスティング広告CPA

「3つ」のキャンペーン名でリスティング広告を配信した結果、CV(conversion=成約)の成果は2件。
CPAに関しては、平均して「21,401円」となりました。

ディスプレイ広告CPA

 一方、ディスプレイ広告においてCV数が「4件」とリスティング広告より好調でした。
CPAの数値も「2,201円」と低いCPAにて成約に成功しています。

今回の事例だけですと、ディスプレイ広告の方が成果を達成しているかのように感じますね。

しかし、「CVR(Conversion Rate)=成約率」に限ってはリスティング広告の方が高い数値が出ています。

リスティング広告のCVR 2.17%
ディスプレイ広告のCVR 1.00%

リスティング広告だけのCPAを見ると大幅に目標CPAは超過してしまいました。

とはいえ、リスティング広告のCVRの高さからは「問い合わせ」や「購入」へ至る行動を喚起しやすかったことが分かります。
KWの最適化や出稿内容の見直し次第では、更なる成果に繋がることが期待できる結果です。

全体のCPAも「8,567円」であることから、両者を駆使した広告配信によって予算を抑えながら成果をしっかり出せた事例です。

まとめ

BtoBに限らずリスティング広告は出稿して終わりというものではありません。
広告の出稿後はその結果を分析し、継続的に改善することでその効果を最大化できます。

リスティング広告を活用し、見込み客の獲得を目指しましょう。

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